競合の調査(競合分析)はしていますか?

最終更新日: 公開日: 2022年02月

長年,製造業に携わって来て不思議に感じていることがある.

それは競合他社のことを知らない会社が多いこと.
競合他社をしらなかったりするので,分析どころの話でない場合もある.

そもそも,「商品企画」という部署もしくは担当がいない企業が多い.
上から言われるままに作って売ってきたということ.

ライバル同士

競合を知ることのメリット

孫子の兵法でもいう

「敵を知り己を知れば百戦して危うからず」

この「敵を知り」である.

敵という呼び方はこの際どうでもよく,「敵」はこの話では「お客様が自社の商品を検討する時に比較対象とするもの」=「競合」のことを指している.

気づいていなかったメリット・デメリットが見つかる

商品紹介のホームページやパンフレットにはその商品・サービスのメリット・デメリットが書かれている.
それをしっかり読みこめば,それまで知らなかった自社の商品・サービスの長所・短所も見えてくる.

似たような商品・サービスでも違った使い方をしていることはよくあることなので一通り調べておくことは非常に重要なことだ.

仕様の意図を推測・確認する

ライバル社の商品によく分からない仕様があった場合はよくよく考える必要がある.
どこかの会社に頼まれて,仕様としては追加したが大半のユーザーには必要ない機能が残っているだけかもしれない.
(取り除くのにコストがかかるのでそのままにしているパターン.あまりいいことではない.)

しかし,そのような場合,自社では想定外の使用方法を想定して,そのような仕様にしている可能性がある.その場合,自社の知らない売られ方をしている可能性があるので要注意である.

実際の仕様を確認する

お客様に販売する以上は似たような他社製品は何か聞かれたときに答えられるようにしておかないと「しっかり考えて作ってるのか?」と根本的なところを疑われかねない.

会社として一通り競合の商品に関しては手に入れて触っておくことをお勧めする.

また,実際の性能も本当に仕様を満たしたものかも確認しておくとよい.

実際に使ってみないと分からないこともある.
例えば使い勝手などはみるのと触るのとでは大違いなことも多い.

職種による競合を知ることの目的の違い

営業が競合を知る理由

全然,他社の事を知らない営業がいる.
製造業に限らず,どんな業界でも結構いるのでびっくりするが,一番根本の「お客様の視点で見る」ということをしたことがないのだろう.

購入側からすると「そんなことも知らないの?」となってしまう.
逆に自分が知っている以上の情報が得られれば,「この営業マンなかなか勉強しているな」「会社としてしっかり商品のことを考えて取り組んでいるな」となる.

購入側が A社は○○○○○○○○で,B社は○○○○○○○○というイメージを持っていたとして,営業マンにそれを語らせて自分と同様な見方をしているのか,そうでないのかを見ていることもある.
同じイメージなら盛り上がりやすいが,そうでなく浅い見方をしている場合はテンションが下がってしまう場合もある.

開発が競合を知る理由

ただ,商品やソフトのスペックだけ示されて開発している場合があるが,そのように製作するといわゆる「魂のこもらない」商品になってしまう,簡単にいうと他人事なのだ.
実際にどういう風に使うかがイメージ出来ないまま,開発してしまうと使い勝手の悪いものになるが,そういう商品は世の中に多い.
自分が使うことはない商品の場合でも競合他社の商品・サービスに触れれば少しはどういう風に使うのかが想像できるだろう.
そのような観点からも開発が競合の商品を触ることは価値がある.

本当はその後,実際に競合の商品を使っているお客様のところに訪問して,感想を伝えあえるともっと良い.
この辺りのさじ加減を知りたい方はこのページの問い合わせフォームからご相談ください.

もし,自社の開発が他社の競合商品の特徴を説明できない場合は独りよがりの開発になっていないか注意したほうがよい.

 

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