問い合わせフォームの質問項目はどうするべきか
B2B製造業の問い合わせフォームの質問項目に関して20年以上,いろいろ相談されてきたが,この度,お客様とお話をしているうちにファイナルアンサーといえるものにたどり着くことができた.
今回はそれを記事にしてみようと思う.

まず,もともと「質問項目は少ない方がいいです」というのはずっと言っていた.
直観的にも自分が回答する際にも「いろいろ聞かれるのは面倒だから」というのが一番の理由である.
でも,いろいろ聞きたい
ホームページ制作担当の人は基本的に問い合わせの後,スムーズに営業担当が対応できるようになるべく質問項目は増やしたいと思われていることが多い.
つまり,増やしたい自分と減らしたい自分が葛藤することになる.
引き合いを増やしつつ,得られる情報も増やしたいという矛盾に直面する.
こういうときは基本に立ち返る.
そもそも,問い合わせフォームを置くのは何のためか?
これはもちろん,売上を増やすためだろう.ここに異論はないはずだ.
引き合いを増やしたいというのは,件数が増えれば単純に営業できる機会が増えるのでこれを増やしたいというのもわかる.
前提条件として,「お問い合わせ内容」などという自由文を入力できる任意入力項目は最低1つ設けておく.
これがなくて,顧客の情報だけ送られてくるということは意味不明で考えにくいからだ.
問い合わせ情報に入力された事前情報
さて,問い合わせフォームに入力された「事前に得た情報」というのは本当に売上に貢献するのか?を考えてみたい.
引き合いを出す方はその商品・サービスに何らかの興味がある人のはずである.
そして,ページ内の情報では満足せず,もう一歩踏み込んだ情報が欲しいのでフォームを送信したはずだ.
買う気満々の方なら,フォームに入力しないで電話してくるだろう.
電話での説明が面倒な場合,「ここまでは知っておいて欲しい」という内容で「お問い合わせ内容」に記入するだろう.
その際に「現在使っている商品はどのようなものですか?」「現在どのようなことにお困りですか?」などの細かい質問をするとどう思うだろうか?
入力する側は「面倒くさい」である.
自分で自由に書けるならいいが,細かい質問だと「それは今回の場合,関係ない」「この会社,関係ないことまでいろいろ聞いてくる会社か?」などとよくは思われない.
つまり,引き合いは減る方向にいく.
引き合いに対して電話して,あれこれ聞く情報
対して,一度簡単に問い合わせをした場合のことを考える.
フォームに来た問い合わせに対して電話しない会社も結構あるようだが,必ず電話をするべきである.
文章だと温度感がなかなか伝わらないからだ.もちろん熱量が伝わるような文章を書かれる方もいるが,全員がそうではない.
営業マンがホームページから来た引き合いに対して,折り返しの電話をした場合,問い合わせにあった質問に回答するわけだが,その際にはさらにヒアリングをしないとより正確な回答をできないことが多いはずである.
つまり,今,お客様はどういう状況にあるかについてである.
- 今,使っている商品で何が問題になっているのか?
- どういうことをやろうとして,どういう部分でつまづいているのか?
ここをしっかり聞けないと最適な商品やサービスを提案することは出来ない.
「お客様が何を求めているか」についてである.
ネットで見た話がとてもよいので例にあげる.
家を建てる時の話.
いろんな会社に話を聞いたところ,「どんな間取りがいいか?」「何部屋いるか?」という聞き方をする会社が多かったが,「家族の趣味は何か?」「家ではどう過ごしたいか?」と聞く会社が一社あって,そこが作った仮の間取り図は理想通りのものが出来てきた.
ということだった.
つまり,どんな間取りとか何部屋とかいう表面的(定型的)な質問では実際の提案営業には何の役にも立たず,お客様の立場に立った深い質問をして初めて,まともな提案ができるということである.
電話,もしくはオンライン,または訪問しないとこんな質問はできない.
問い合わせに対してメールで返答している会社は論外だが,お客様の立場に立った質問をするべきであり,そういう質問をして初めてお客様もまともに考えることができ,本当の自分の考えを明かしてくれるものである.
問い合わせフォームにおける究極の質問とは
ということで,結局,最終結論としては
「ご質問・ご意見ございましたらご記入ください.」
を必須入力項目にせず,任意入力項目で入れておくだけでよい.
他の質問は一切しない.というのがファイナルアンサーとなる.
そして,「それ以外のことは電話で聞く.」である.
ちなみに問い合わせが来た際は...
弊社のツールを使うとある程度お客様の思考を辿ることが出来るので電話する際にも余裕をもって対応することが出来る.
詳しくお知りになりたい場合はこのページにある問い合わせフォームからお願いします.