見方を変えると出来る「商品企画」
商品企画で大切なことについて書いてみる.
大切なのは見方を変えること
前に「アクセスログ解析」がホームページの改良だけでなく,営業を手助けするツールになるという話を書いた.
この話は元来「ホームページ担当」に利用してもらう「アクセスログ解析」が「営業担当」に使ってもらう「アクセスログ解析」にもなったという話であるが,一つの商品やサービスがとらえ方を変えると全く別のものになるという例である.
全く同じものなのに売り先が変わってしまったのである.
一つの商品でもお客様の使い方をみていると千差万別でそこから教わることは非常に多い.
商品企画をやりたいなら,まず現場を見てみるということはとても重要なことで,現場に行かずに数字だけ集計していたって本当のマーケティングは出来ない.
マーケティングというと Excel などで数字の集計をしているのがそうだと思っている人が多いかもしれないが,それだけでマーケティングなど出来るはずもない.
実際に商品の使用現場を見てみると,「そんな使い方があるのか?」と思うこともしばしばで感嘆することも多い.
見方・捉え方を変えるコツ
このサイトでは何回か書いているかもしれないが,みんなが欲しがるものには付加価値はない.
既に作っている人も一杯いるからだ.
「みんなの欲しい声が大きい」ということはイコール「誰でもその商品の価値が分かる」ということで,そうなると既に存在しているか,もしくは,多くの会社が作ろうとするものであるか,技術的・物理的に製造するのが無理かということであり,いずれにしても「付加価値」はないに等しい.
なぜ,その商品・サービスが欲しいと言っているのか,本質を見抜く目を養う必要がある.
だから,そもそもの常識を疑う必要がある.
戦術と戦略の考え方
実際の商品・サービスが戦略とすると,それを実現するための部品や考え方が戦術に当たる.
これは明石散人さんの「真説 謎解き日本史」の「孤高の権力者」の部分に書かれていることだが全くその通りだと思う.
戦術というのは戦略を出現させるためのパーツだ
この本では贋札(偽札)作りを例にとって説明しているが,例えば「カーナビ」も同じだと思う.
思いつくことも難しいと思うが,車が出来たときに自分の位置が分かる地図を作ることは出来なかった.
GPS も無ければ,ブラウン管もない.地図を記録しておくものもない.
つまり,戦術にあたる部品すら満足に揃わないのである.
その後,ブラウン管が出来,液晶が出来,コンピューターが出来,GPS が出来て初めて「カーナビ」というのを作ることが出来るようになった.
つまり,先にもし「カーナビ」を思い付いたとしても実現は不可能だったのである.
道具は過去、目的は未来……、何か欲しいと思って懸命に働くのではなく、懸命に働き、結果として得た報酬で何が支えられるのかを考えなければならない
既に存在しないものでも組み合わせると大変付加価値の高いものが生まれる可能性がある.
が,最初から何か作りたいと思って全く新しいものを作り出すことはほぼ不可能に近いし,全く新しいものでなくても高付加価値のものを作り出すことは十分可能なのだ.
今,ある戦術をしっかり把握しておく
地図が液晶ディスプレイに映し出されている場面を想像してほしい.
これだけだと地図の画像をパソコンで表示すれば実現は可能だ.
仮にこのディスプレイが車に搭載されるとどうだろう?
地図なので検索できるとよい.地図がただの画像ではなく,住所との関連を持つ位置データとして存在していれば検索して,その場所を指し示すことは可能になる.
そうすると車でドライブしながら,移動する場所に応じて,ちょっとずつ検索すれば現在地の地図が分かるはずだ.
地図が走っている車と同時に動けば便利なことは分かる.いちいち検索しなくて済むからだ.
地図を走っている車に同期させるためにはどうすればよいか?
GPS があれば現在地が分かるので,それに応じて表示する地図の場所を変えていけばよい.
そこで GPS が組み合わさればよいことが分かる.
さらに高速道路で準備されている渋滞情報を組み合わせれば地図に渋滞情報を書きこむことが出来ることが分かる.
渋滞情報を知る方法は当然,高速道路でない普通の道路でも同じ方法を使うことが出来る.
そうして,全国の道路の渋滞状況が分かると渋滞を避けて目的地に行けないか?という希望が出てくる.
これは極めて自然な流れだ.
そうすると計算により,どの道が一番早く到達できるかを見積もることが出来るようになる.
このように組み合わせたり,見方を変えると新しい商品を企画することが出来る.
今回は本来止まっていて動かない地図を現在地に応じて変更していくという地図に対する見方を変えることにより,新しいカーナビという商品がうまれたわけだ.
地図は止まって動かないものという固定観念から抜け出して,新しい見方によりカーナビが出来る.
見方をかえる重要性に気づけただろうか?
戦術を組み合わせると違う見方をすることにより戦略が生まれる
カーナビはしばらくの間,高額だったが車にはある意味,必須のものになっていた.
しかし,ここでスマートフォンが現れる.
また,Google のように地図を無償で提供してくれる会社が現れる.
スマホには GPS がついていて,そのうち現在地が分かるようになった.
つまり,戦術が整ったわけだ.
カーナビには地図の更新に伴うコストという弱点があったが,スマホの地図は更新を自動でやってくれる.
そうするとスマホはカーナビにもなった.
渋滞情報もカーナビ同様に取得できるので経路探索の賢さに関してはアプリによって違いはあるが,Google地図でもYahooカーナビでも地図は最新なので専用カーナビより便利になった.
スマホは見方を変えてカーナビにも変身した.
このように見方を変えると別の商品になることも多い.
そのような観点で考えれば商品企画というのは面白い.
専用品より汎用品
とても重要なことを書く.
先に例を出したカーナビ専用機にはメリットがなくなっているのでいずれなくなってしまう可能性が高い.
出来の良い汎用品には専用品は勝てないという良い例である.
ここから,商品企画をする人は出来るだけ専用品でなく,汎用品になるように仕様を考えるべきだということも分かる.
弊社のアクセスログ解析はホームページの改良にしか使えないのではなく,マーケティングや営業にも使えるという意味でもより汎用品だということになる.
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