「うちの営業ポンコツなんで」問題について

最終更新日: 公開日: 2022年12月

ようやく最近になって分かってきたことがある.

今まで 30 年ぐらい製造業に接していて「謎」だった問題である.

どうしたらよいのか?

それが
「営業は営業をしているのか?」
という問題である.

営業は何をしているか

「営業は何しているんですか?」

と聞くと

「営業しています」

と言われる.
当たり前の話過ぎて「は?」となるだろう.

しかし,「営業は何しているんですか?」と聞くからには,聞かれるだけの理由がある.

  • ずっとパソコンを触っていてほとんど電話をしていない
  • 一日中いない
  • 自社の商品を知らないので質問に答えられない
  • 自社の商品の PR が出来ない
  • 競合の商品のことを知らない

「嘘でしょ?」と思われるかもしれないがホントである.
この質問をすると

「営業しています」

と言われるのだ.だから私も「嘘でしょ?」と聞き返す.

しかし,一日というのは長い.
箇条書きに書いた上記のような状態なのに一体他に何をしているのだろうか?

どうも営業以外のことをしているようだ

いろいろ細かく聞いていると以下のようなことが分かる.

  • 商品の納品に行っていた
  • 機械の立ち上げに付き合っていた
  • お客様に頼まれて資料を作っていた
  • 自社商品に問題があって,そのトラブル対応をしていた
  • かなり高度な技術的な質問に回答しようとしていた

これだけで収まるはずもないがこのようなことを言われる.
でもちょっと考えると分かるが,これって

「営業の仕事ですか?」

正直,営業じゃないと出来ない,または営業では出来ない仕事ではないのだろうかという疑問が湧く.

営業とは?

営業とはお客様の相談に乗って,そのお客様のお困りごとに対して一緒に考えて解決する手段を提供するものだと思っていたが,どうも一般的な BtoB 製造業において,営業とはそういうものではないらしい.

パイプラインとは?

最近知ったのだが,MA 関連の言葉として「パイプライン」という言葉があるらしい.

これは「商談が受注に至るまでのプロセス管理」を指す言葉のようだがこんなことは営業だったら,当たり前のことだと思っていた.プロセスを管理しなくては営業の数字など見えてこない.フォーキャストとかこれも先行管理とも言われるが,自分が持っている商談の納期や確度を考えれば計算すれば自然に出てくるものだ.
そして,この数字を元に「今やっている自分のプロセスを見直す」ということをし続けなければ,営業として売上の数字を立てることは出来ない.
しかし,この営業なら当然やるべきことが普通の B2B 製造業では行われていない.
驚愕の事実なのだが営業のプロセス管理など行ってはいない.
もっというと製造業に限らない,世の中にまともに営業をしている会社はほとんどないのではないかと思っている.

つまり,そのような会社は営業支援システムを導入すること自体が困難なのだ.
マーケティングオートメーション(MA)が悪いのではない.
そもそも導入する下地がないのだ.
思考を変えないと営業プロセスを管理することなど出来ない.

そのためにはどうすればよいのか?

ではどうすればよいのか?

本気でマーケティング優先の利益を上げる会社になりたいなら,まず営業の業務内容の精査と見直しをすることが先決になる.
営業が「営業していない状況」では自分で売上や利益をコントロールすることは不可能で,ただの下請けからの脱却など絶対に不可能だ.

営業から営業以外の業務を切り離す必要がある.

いくら,ホームページを改良したり,メール配信を行ったりして引き合いを増やしたとしても営業がポンコツだと売り上げることが出来ない.(「ポンコツ」という言葉はあるお客様(営業)が自虐的に「うちの営業ポンコツなんで」と嘆かれていたのをそのまま使わせてもらった.)

本当の営業をすることの難しさ

だが,営業のスキルを上げることがどうも普通の企業にはかなり難しいことのようだ.
一番の原因は
そういう風に教わっていない
で,これに尽きる.
そもそも上の人もそんな営業をしたことがないので,具体的にどうすればよいのかわからない.
だから教えることももちろんできない.
外部から教えてもらうにもその人はその会社の商品特性や従業員の性質まで考慮に入れる必要があるので,とんでもない高いスキルのある人でないと難しい.

理屈は分かっても,そのような営業文化のないところにいきなり持っていっても大変に難しいことなのである.

まさに「黒船の来航」?のようなもので横文字に弱い日本人の特性を突いて,「マーケティングオートメーション」というよく分からない言葉で煙に巻きつつ,「本場ではこうだぜ!」と乗り込んできているというところが実体なのだろう.

しかし,日本国内でも儲かっている会社を見ればこういう営業はずっと行ってきている.
見てみぬふりをしているだけ.
「あの会社は違う!」
とはよく言われるが,そんなに異常なことは行っていない.当たり前のことを当たり前にやっているだけなのだ.

仕方ないので営業以外でなんとかする方法

そこで,もう営業に頼ることはやめてホームページやメール配信だけで顧客の発掘から売り上げる直前まで持っていけばよいということをちょっと前から言い始めている.
営業を育てるコストが高いというよりは,そもそも育てることが出来ないのでマーケティングを研ぎ澄まして営業抜きで販売してしまうという次善の策だ.

つまり,営業していない営業はなくしてしまって,実際に売り上げたときの請求処理や商品の配送管理をする事務員だけを雇うということである.

真の営業を行いたい場合

とはいっても,ホントの営業を育てたいと思われるなら弊社がお手伝いはしますので,フォームからご連絡ください.
会社の存続のためには営業が必要なのは疑う余地のないことです.
しかし,自社内では育てられないということならマーケティングでなんとか補おうというのが一つの対策でもあるということです.

 

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