【営業】ヒアリングシートはコンサルティング営業の第一歩
「資料請求があった人に電話をかける場合,何を話していいか分からない」と言われることがある.
そのような場合にどのようにヒアリングしていけばよいかについて書いてみることにする.
特に営業初心者の場合はヒアリングする項目を考えて,ヒアリングシートを用意するのが手っ取り早い.
手元に紙で置いておくのだ.そうすれば漏れずに聞くべきことを聞くことが出来る.
基本的に電話することを想定しているが,展示会や実際の訪問時でも同じヒアリングシートが使えるので参考にしてください.
ヒアリングシート作成の目的
一番の目的は売り上げを上げるためである.
売上を上げるためには本当の意味でお客様に満足していただく必要があり,そのためにはお客様にあった商品・サービスの提案をする必要がある.
そのために現在のお客様の状況を聞くことが重要になってくる.
お客様の状況を聞けているのに適切な提案を出来ないのは自社商品・他社商品の知識や業界の理解が不足しているからであり,それはまた別にスキルアップしてほしい.
なぜヒアリング項目の決定が必要なのか
コンサルティングがしっかり出来る営業にははっきり言って「ヒアリングシート」は不要である.
しかし,漏らさず聞くことは余程のスキルを持っていないとなかなか難しい.
そういう場合は書きだしておけば順を追って落ち着いて質問することが出来る.
つまり,必要なことを確実に聞き出すために項目を書き出して,忘れないようにするためである.
ヒアリングシートの質問項目
ヒアリングするのはお客様に最適な商品・サービスを提案するためなので,そのために必要な情報はすべて聞く必要がある.
だから自社の商品・サービスに応じて,自社で作成するしかないのだが,方針というか雛形のようなものは考えられるので書き出してみよう.
資料請求をした(引き合いを出した)理由
まず,なぜ資料請求したかを聞く.
下の方(5番以降)の具体的な質問は「検討中」や「購入希望」などのチェックが入っている時の話で「資料集め」「情報収集」などの場合はもちろん聞けない質問である.
質問項目・質問内容
- どうやって,当社の商品・サービスを知ったのか
- なぜ,この商品・サービスの資料請求をしたのか
- 他に調査している競合の商品・サービスは存在しているのか
- その商品・サービスを使って何をしようとしているのか
- 既存で使っているものの置き換えなのか,新規で検討しているのか
- 納期はどれくらいを考えているのか
- 量はどれくらい必要なのか
- 予算はどれくらいを考えているのか
- 購入するならいつまでに決めなければいけないのか
なぜその質問をするのか
- ホームページにはどのようにたどり着いたかによってページの改良に活かす
- どの部分に興味が湧いたのかを聞いて,PRポイントを探る.困っている場合は提案する(コンサルティングする)ために何を困っているのかを聞く.
- 比較している商品を知り,さらにどこが選定のポイントになっているかを知って商品開発に活かす
- 目的を聞けば別の商品・サービスの方が適している場合も多いので別の提案が出来る
- 現在の不満点とそれに対する考え方を聞けば,別な提案が出来る
- 次回の電話のタイミングはいつぐらいか,こちらの製造生産体制は大丈夫かを確認
- こちらの製造生産体制は大丈夫かを確認
- どのくらいまで許容できるのかを聞く.あまりにもかけ離れて安い場合はその場で断る
- いつぐらいまでにクロージングをする必要があるのか,見積もりはいつまでに出せばよいのかの確認
資料請求をした人や会社について
質問項目・質問内容
- どのような種類の企業なのか
- 普段,何をされている人か
- 権限はどれくらい持っている人か
なぜその質問をするのか
- 実際に使うエンドユーザーなのか,製造販売しているセットメーカー(OEM)なのか,代理店なのかが分かると提案の内容がまた変わってくる
- その人の立場になって考えられるようにする.他に提案できることがないかを考える
- 決裁権限がない場合,決済権限を持っている人とも交渉しなければならない可能性を考える
ヒアリングシートを実際に作成
パソコンを開きながらハンズフリーで電話出来るのなら,その場で打ち込んでいくことも可能だが,打ち込みスピードが遅い人の場合はあらかじめ紙に印刷しておくことをお勧めする.
先ほど書いたような質問項目を箇条書きで書いて,回答の余白を空けたものを印刷して準備しておく.Excel や Word で作ればよいだろう.
実際に電話を掛けるときに鉛筆やペンを片手に電話をして,一つずつ落ち着いてヒアリングしてほしい.
なお,これは実践することが重要なので実際にやってみてほしい.
実際にやってみると
「もっとこういうことを聞いたほうが提案しやすいな」
など別のアイデアも浮かんでくるので,最初は考えすぎないでヒアリング項目を作るべきである.
上記のような内容は汎用的なものであるが,商品・サービスによっては特別に質問しておいた方がいいようなこともあるだろう.
そういうことも考慮に入れてヒアリングする項目を決めていく.
実際にヒアリングしてみて振り返る
そのようにシートを準備したら,実際に電話を掛けてみる.
ヒアリングシートに書きこんでみる.
1社ずつ,内容を検討してもいいが,ざっと5~10社ほどで一旦確認してみよう.
聞けた回答内容で「コンサルティング営業ができるかどうか」を考えて確認する.
必要なことが聞けていないということはないだろうか.
もし,そうならヒアリングシートは作り直す.
そして聞いても,それを利用して何にも出来ない情報はなかっただろうか,そのような質問は削除していく.
ヒアリング項目はブラッシュアップしていくことが重要である.
ヒアリングした内容は記録する
そして,これが一番大事なのだが,ヒアリングした内容は必ず記録する.
出来れば,全社で共有できるように営業支援システムを使いたい.
クラウドシステムでどこからでも記入しておけば,誰でもどこからでもいつでも確認が出来る.
そうすると他の似たようなタイプのお客様から資料請求があった時に参考に出来る.
自分の覚書として機能するだけではなく,他人が書いた内容も利用できる.
まさに「情け(記入)は人の為ならず」で自分が営業する際にも役に立つのだ.
そして,その情報は会社の財産となっていく.
「情けは人の為ならず」は「情けをかけるのは他人のためにならない」という意味ではなく,「情けをかけるのは他人のためではなく,巡り巡って自分に返ってくる」という意味である.(念のため)
記入することは巡り巡って自分に返ってくるということ.
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