ヒアリングわらしべ長者

最終更新日: 公開日: 2022年05月

ヒアリングわらしべ長者」というのは私の造語だと思っていますが違っていたらすみません.
拙著「心に触れるホームページをつくる」で触れている言葉です.

ビジネスや仕事だけでなく,普段の趣味や生活でも使えるこの話について書いてみます.

藁

以前から,「メールを送るだけでヒアリングしやすくなるツール知っていますか?」のような関連記事は書いているが,ネットで「ヒアリング」関連でちょっと調べてみると様々なことが書いてある.

私の本では営業時に使うヒアリングの話を書いていたが,実は購買でも同じ理屈が通る.

サービスやものを購入するとき,人はどうしているだろうか?

業者や商品を選定する際のヒアリングわらしべ長者とは

盲従していないか?

誰かに言われるまま,本に書かれているまま従っていることはないだろうか?

  • あの人は信頼できる人でこの人が言うから間違いないだろう.
  • あの人はその道10年のベテランだから言われたようにやればいいだろう.

しかし,なぜその人が「そうしたほうがいい」と言ったかの根拠を聞いたことはあるだろうか?
遠慮して聞かない人が一般的だと思う.
しかし,本当に良いものを探そうとするならば遠慮して聞かないのはもったいない.ある意味,機会損失にもなる.

そして実際に聞いてみると案外,

  • 「誰それがそういってた.」
  • 「私も昔,そういう風にしろと教わった.」
  • 「代々,それを使うことになっている.」

というように適当なことが多い.つまり根拠はないのである.

そうした場合,多くの人は「でも,まあいいか,少なくともこの人は良いと言ってるんだし」で済ませるだろう.

私的なことで被害が及ぶのが自分だけならまだしも,会社で部品を選ぶ際や業者を選定する際にこの状態では後々困ったことになるのは自分だけでなく自社の人達全員である.

そこで相見積もり(あいみつ)をとったりするのは通常行われていることだが,これもただアイミツをとっているだけで終わっていないだろうか?
(見積もりを複数業者に出すことを相見積もりするという.)

根拠を確認しているか?

見積もりを取るだけでは全く意味がない.
しっかり内容の確認をする必要があるのだが,その確認は出来ているだろうか?

発注者が全くの素人の場合,どの業者が言っていることが正解に近いのかが見積もり開始当初は分からない.

こういうシステムを作りたいと思った時に,どのようなモジュールを使って作るのかは業者や人によってさまざまだ.
しかし,「通常はこうする」という定石のようなものがある時もある.
そういうことすら,初心者は分からない.逆にいうと分からないから人に任せるという発想が出てくる.
しかし,これは危険な外注(アウトソーシング)の仕方である.

アウトソーシングにも使えるヒアリングわらしべ長者

アウトソーシングというものは外部の会社に業務の一部を代行してもらうものだが,「自分がやってもできるけど,他の人でも出来るからしてもらうもの」である.
それ以上でもそれ以下でもない.
自分が分からない・出来ないものを外注してはいけない.

そのような場合にも使えるのが「ヒアリングわらしべ長者」なのである.
具体的な方法は拙著を参考にしてもらえればよいのでここには書かないが営業時に使う方法と全く同じである.

しかし,最終的には業者よりも詳しくなっている.というか,なっていないとしたら,それはヒアリングが足らないということである.

商品の選定に使えるヒアリングわらしべ長者

業者を選定するだけでなく,商品の場合も同様なことが言える.
複数の店や会社の人にヒアリングするのだ.

同じ商品でも説明する人が違えば違う使われ方をしている.
自分の立場により近い人の意見は貴重なものになる.
もちろん,立場などは関係なくコンセプト的に商品の本質を見抜いている人がたまにいて,そのような人にヒアリング出来ればそれに越したことはない.

そういう意味では展示会というのはとても便利な場所なのである.
「ヒアリングわらしべ長者」になりやすい場所だ.
商品を企画する人は展示会に行くことが多いと思うが,「長者」になれているだろうか?

 

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