ヒートマップというツールでの解析
ヒートマップというホームページアクセスの解析手法がある.
ヒートマップとは
ネット上のページがどの場所がどのくらい見られているかが分かるツールです.
マウスの動き方のログを集めることにより,そのページの見られ方が分かるヒートマップが作られます.
つまり,ある特定ページでのマウスの動きが全体的に分かるツールと言えます.
マウスと目の動きについて
検索してみると「マウスと目の動きは相関関係がある」と書いてあるページが多いが,どの国の誰がどのような実験を用いてどのように調べたのだろうか?
もう少し検索してみると,「xxxxx大学教授が20xx年に発表した論文」とかいてあるページも見つかったが,一体誰なのか?その論文は信用できるものなのか?全く分からない.それが正しいかどうかは論文は担保していない.
私は根拠が書いてあっても説明が納得いかないものは信じない主義だが,根拠すら書いていない文章は全く信用しない.
いかにも常識のように「.....がある」と書かれても,感覚的に合わない・理論的に理解できない場合は「本当か?」で終わりである.
ずぼら人間はマウス(というか手)を出来るだけ動かさない
自分の話になるが通常ページを見ている時にマウスを動かすことはほぼない.ホイールを回すだけである.
なぜか?面倒だからである.
逆に文字を打ち込んでいる時はキーボードを触っていて,マウスには触れない.
CTRLキーとアルファベットのキーを駆使して極力マウスには触らない.
時間がロスするからだ.
Enterキー(リターンキー)は基本的に触らない.基本的に CTRL + M キー を使う.
これは大学の時に先輩に注意されて以来,続けていることだが,Enterキーを触るより,CTRL + M の方が速く打てる.全く合理的だ.
逆に文字を打たない時はマウスしか触らない,それもリンクをクリックする時以外はホイールしか触らない.
なぜ目の動きに沿ってマウスを動かすのだろうか?
実際にしない動きであるし,理屈から言っても分からない.本を読むときに指でなぞったりするのか?
また,スマホの時は余計に指はスクロールすることとリンクをクリックすることにしか使わない.
つまり,前提としてマウスの動きを追うことに意味はあるのか?
という疑問がある.
マウスがよく通過する場所に意味はあるのか?
目で追っている場所が分かったとして
百歩譲って(譲る気はないが),本当に目で追っている場所をマウスが指しているとしよう.(仮定の話)
目で追っているところをみてどうするのか?
ただ,「ぼぉーとみている」のと「しっかり読んでいる」ときの区別はつくのか?
実はピントが合ってない場合もある.また写真やイメージを見ているように見えても,そこから連想して別のことを考えていることなんてよくあることだ.
つまり,この目で追っているところを確認したからといって,本当に読んで理解しているかどうかは別次元の話になる.
よく見ている場所が分かったとして
根本的なこととして,ページの作り方にもよるが通常ページに入ってくるときは一番上から見ることになる.
つまり,どのページを解析したとして,一番上が赤色が濃くなり,下に行くにしたがって青色になる.(赤がよく見られていて,青がほとんどみられていないという色分けになっている場合)
メニューのリンクがアンカー(#)付のページになっていたり,Google のスニペットに採用されたりでページの途中から開くようになっていれば話は別だが,逆にその場合はそこが赤くなるはずだ.
また,赤い部分が上の方の30%だけしかないページと80%まで行っているページがあるとする.
それを見てどうするのか?
30%だけしかないページの上部の文章を書き替えるのか?
30%しかみられないページは最初の文章を書き替えるだけで本当に全部読まれるようになるのか?
そのページは検索エンジンからアクセスされたかメニューからアクセスされたかは分からないがどちらにしても 30% で読まれなくなるというのは,
- その検索単語とその 30% 部分がマッチしていなかった.
- メニューのそのページへのリンクの文字列とその 30% 部分がマッチしていなかった.
つまり,そのページの前のページで与えた期待(リンク文章や検索単語)を裏切ったということが原因だろう.
実はページの後半部分に前のページで与えた期待に応えられる部分が書いてあった可能性というのもある.その場合,メニューから来た場合は上部の 30% を後半部分の内容と差し替えれば離脱は減るかもしれないが,検索エンジンから来た場合は上部の 30% は関係なく,むしろ後半部分を変更する必要が出てくる.
ここまで考えないとページの本質的な改良は出来ない.
そう考えると全体(マス)で見るヒートマップではほとんど本質的な改良が出来ないことが分かる.
赤色が多いな,青色が多いなという感想を持って終わりとなる.
どのように見ているかが分かったとすると
だいたい似たようなページは似たような動きになるのが分かる.
そもそも,どのページも上の方が赤くて下の方が青くなる.
目立つリンクがあれば,そこは赤くなる.
見ているうちにどのようにリンクを配置すればどのようにクリックされるというのは分かってくる.
そうするとヒートマップのような解析ツールで未来に渡って,ずっと追っていく必要は薄れるのではないだろうか?
確かに最初は「なぜ,そういう動きをするのだろう?」と思ったとしても,よく考えれば理由があり仕組みが分かってくるはずだ.
そうなるとずっと解析し続ける理由というのはなくなってしまうのではないだろうか?
要はある程度ヒートマップを見続けた経験者にとってはもう解析するメリットはなくなってしまうのではないだろうか?
最初から動きを予測した上でページをデザイン・レイアウトすればよいわけである.
学習し続ける必要はなく,過去の経験である程度の未来が予測できてしまわないか?
では常に解析し続ける必要があるのはどのようなケースか
人の動きはある程度の法則がわかれば,そこで解析する必要がなくなってくることは分かる.
しかし,コンテンツに関してはログ解析を行うことによって,拡張・整理されていくので尽きることがない.
また,解析の内容によっては新しい商品・サービスにもつながることがあり,継続する意義がある.
解析することが事業の成長に直結するからである.
この辺りに興味のある方は「心に触れるホームページをつくる」を読んでいただければと思います.
解析し続けないと過去の経験は生きてこないのがコンテンツなのである.
それには時代的なものも関係してくるし,競合的なもの(台頭や新製品)も関係してくるだろう.
また,Google などの検索エンジンもどんどんアルゴリズムが変わってくる.
タグの仕様など技術的な観点からも作り方が変わっていく.
ログ解析をしていれば,そのようなことにも気づくことが出来る.
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